Re: 曖昧な位置づけによる「G4 Cubeの失敗」
明日は Macworld Expo だということもあって Apple 関連のニュースが盛んになってくるこの時期が楽しいのは間違いがないが、日本語メディアによる記事 “明と暗、ふたつの顔を持つカリスマ「スティーブ・ジョブズ」の記録” より、「G4 Cubeの失敗」の原因と結果について考えようと思う。
当時のアップル製品のラインアップにおけるG4 Cubeの位置づけは、エントリーモデルの一体型iMacと、プロ向けモデルのモジュラー型Power Mac G4の中間的な存在であり、一言で表すならば「iMacのシンプルさとPower Mac G4のパワーを併せ持つマシン」だった。
G4 Cube の存在を二次元的に考えると少し語弊が生じるかもしれない、と感じたのはその価格設定だ。【Mac World NY】G4 Cube 450MHzの国内価格は19万8000円 – ニュース – nikkei BPnet によると、
Power Mac G4 Cube(450MHz) 19万8000円、8月中旬
Power Mac G4 Cube(500MHz) 27万8000円、8月中旬、Apple Storeのみ
価格はエントリーモデルで Power Mac G4 400MHz と同額である。
これは三次元的に考えると、つまり新しい製品ラインナップの登場を意味すると見なすべきではないだうか。20th Anniversary Macintosh や現在の Mac mini も同系統として持つ “ホーム” という性格が適当だと考える。
Apple Cinema Display 22インチフラットパネルモデル 49万8000円、8月下旬
余談ではあるが、この時購入したのはこれ。一回の修理を経て現在テレビモニタとして活躍している。(ネットバブルに感謝)
しかし、そこに落とし穴があった。確かにG4 Cubeは、美しく素晴らしいマシンだったが、一般コンシューマーにとってはPower Mac並みに高価で、プロにとってはiMacのように拡張性に乏しい製品として認識されてしまったのだ。その結果、iMacとPower Mac G4は売れ続けたが、G4 Cubeの販売は奮わず、約1年で生産中止の憂き目に遭う。
さて、位置付けを認識した結果というよりは、生産中止となった根本的な要因として “Macintosh トラブルニュース” がまとめているような、製品自体や各部品の設計ミスや不良が多発していることが挙げられる。(2chの “G4Cubeトラブル続出!” も面白い。)
また、”今年は何が出る?:Macworld Expoの会場で驚いた3つのこと (3/3) – ITmedia +D PC USER” で林信行氏が伝えている、
もしこの中のウワサの1つが真実だとしたら、スティーブ・ジョブズ氏がへそを曲げて発表しない、あるいは発表のタイミングをずらすということもやりかねない(これは冗談ではない)。例えば以前、Power Mac G4 Cubeという新製品の発表時、グラフィックスカードメーカーの重役が同製品の情報を事前リークしてしまった。このことに腹を立てたジョブズは、製品発表の前日に、会場に展示予定だったすべてのPower Mac G4 Cubeのビデオカードを替えたという事件もあったほどだ。
このようなことも影響しているのかもしれない。
丁度この頃から、”ソニー・タイマー” と対峙して Apple の初期ロットの不良について意識をするようになっていたと懐かしく思う。
このときの失敗から、ジョブズは、どんなに内容的に優れていても位置付けの曖昧な製品は市場に受け入れられないという教訓を得た。それ以来、アップルは、自社製品同士で競合することがないように、個々の製品の性格付けを一層明確に行なうようになったのである。
この性格付けも具体的には価格設定と言える。チップの性能と時代が反映されるのは仕方ないことだが、仕様の差自体の距離感に違いを感じることは少ない。iMac を基準にした価格は上にも下にも広がったが、この時既に “ホーム” という製品コンセプトを考え iPod の布石とも言える製品を投入した Apple は流石だな、と思う。
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フリーランスのウェブとiOSアプリ開発者で一児の父親。JavaScript, ActionScript, AppleScript, PHP, SQL, ObjCの読書実行試験運用管理を生業とし、BIND, SMTP, APACHE を MacBSD, FreeBSD, Mac OS X で使い、エディタは Vi, mi, Kod と遷移して現在は Smultron、そして Coda と Xcode の IDE を重用しています。暇を見付けてはバックギャモンゲームをオンラインで楽しんでいます。