Thought on Flash
Steve Jobs 氏が「Flashは動作が遅過ぎて実用的でない」と発言したそうだが、もう少し突っ込むと「(例え Flash Lite であったとしても)JavaScript と併用するには」という意図が含まれていると思う。クライアント・サイド(表示側)としてどちらかを選択せざるを得ない状況であるのは技術的な見解として納得できるものの、では何故日本の携帯業界のように Flash を採用しなかったのかについて妄想する。
一つは経理面から Adobe に対して使用料を払うことがある。これは日本の携帯の価格を高額なものにしている要因の一つであることでも有名だ。次に注目したのは営業面、つまり Adobe との関係について。それは Adobe の Flash に取って代わるとされている Flex の最新版の変更点を見て気が付いた。
【速報】RIA構築ツールFlexは最新版 Flex 3 でここが変わった:ITpro
1-5:HTMLレンダリング(内蔵 WebKit 使用)
AIRはWebブラウザSafari で利用されているHTMLレンダリングエンジン WebKit(WebKit についてはこちら)を内蔵します。これによってAIR アプリケーション内にブラウザのような機能をもたせることができます(AIR:HTML content のオンラインヘルプはこちら)。例えば,タブブラウザのような AIR アプリケーションを作成することも可能です。
今まで Adobe が開発するツールに頼らざるを得なかった Apple だったが、現在の状況は一変している。Premiere は Final Cut に置き換わり、ウェブオーサリングは手打ちの補助となり、管理はミドルウェアがデータと切り離したサーバー上で行うようになった。CSS の活用により PhotoShop でページ設計を作り込むことはなくなった(Keynote に移行した)し、アートディレクターはバイナリの素材や部品を iPhoto や Aperture で管理するようになりつつある。 そしてアダルトサイト時代の通例だった “JavaScript オフ” は都市伝説となり H.246 形式で Flash はすっかり後を追いかけている。もし iPhone が数年前に発表されていたならば Flash を搭載していたのではないだろうかと思ってしまう。唯一 After Effects が VFX で重宝されているというところだが、しかし今回の Flex による Webkit の搭載が多くを物語っている。
ここで気になるのは周りの状況だ。つい数年前には入校原稿を全て文字レイヤーに入れてデザインチェックをしていた熱狂的 PhotoShop のデザイナがいた(もちろん先に進まない)というのは笑い話だが、今月は出産前に仕事量を増やそうと営業活動を行っているが携帯 Flash や Flex 開発の案件が非常に多い。
Life is beautiful: スティーブ・ジョブズ、「Flashは重すぎて、Flash liteは使えない」と発言
Comments
述べられているようにモバイル向けのFlash LiteがFlashとは似て非なるもので、結局コンテンツベンダーはスクラッチでFlash Lite用コンテンツ・アプリを起こさないといけない、ってのがモバイルでFlashをやることの意味を喪失させるのに大きかったような。
Posted by: ぶらりん | 2008.03.07 at 15:29
ここで何故携帯 Flash 案件について、技術的には億劫になる反面、巷に仕事量が多いのかという矛盾に答えを見つけることができた。簡単に言えば、年度末に予算を使い切るような概念を持つ日本の企業に対して、白紙から制作する方が代理店の取り分が多くなるからである。一方、個人で開発していると Flash を採用したくないというのは先に述べた通りだ。しかし、開発費も利用費も高額請求の連鎖が続く日本の携帯業界というのは見ていると滑稽でもある。消費社会としては正しいのかもしれないが、それは個人の内面と企業組織の外面の差でしかないのだろうとも思う。
またこれから子供を持つ親の身としては、携帯でアバターやゲームといった Flash を開発することに少々疑問がある。というのは、これだけ子供を食い物にするビジネスが横行するのは日本が顕著ではないかと感じるからだ。確かに幼少の頃、任天堂に影響を受けたことは否定はできないが、大人になって体験談でしか他者と意思伝達ができないというのはとても勿体ないことだと、バックギャモンのような歴史あるゲームをしているとそう思うことが少なくない。最近は Wii を使った再販で消費させることは経済面で良いのかもしれないが、それでも大人(で || になって)も楽しめるプロリーグの構築とまでいかないことには世界が小さいと言わざるを得ない。ゲームが〜と失笑する、特にご年配の顔が目に浮かぶが、我々はサッカーという言語が既にその先にある “文化” を目指しているのを目の当りにしている。そういう意味で、電子ダンス音楽が文化になりつつある都市、ロンドンやベルリン、ニューヨークは体験したいし、ゲーム音楽が強い東京にも期待している。
文化の話は飛躍しすぎたが、最後に Flash を使いたい!と思う案件を考えるとそれは JavaScript が対応する前に XMLSocket を使うものということになるだろう。世界最大のバックギャモン SNS だった GamesGrid が終了する今、少しだけ構想しているものがある。時間が少ないのは承知しているが、無理と思うことが無理の始まり。老子とヨガから学んだ呼吸法と相対性理論を使ってゆっくりやる予定。全く関係はないが、GamesGrid for Mac OS X のプログラマは PhotoShop の作者でクレジットされている。ユニバーサル化まで開発が続かなかった(もちろんその後の CS3 はユニバーサルだ)というのは残念だったが、翻訳作業でお手伝いできたことはとても幸運で楽しい思い出だ。
さて付録のマッシュアップ企画のタイトルは “Youtube Mixer” だが、アクトビラを見ていると(Wii のポインタはリビングで使う距離に丁度良いが、それに比べマウスポインタは小さいことから)Tab キーによるオブジェクト移動とStage オブジェクトの扱いに気をつける必要がありそうだ。
// (仕事を回して頂く代理店向けに)断っておくと、金儲け主義を否定する意図はなく、お金という道具に対して加算法と減算法で考え行動される世界があるということです。;-)
参考:切込隊長BLOG(ブログ): 広告代理店の人と付き合ってて困ること10
個人事業主のウェブとiOSアプリ開発者で一児の父親。JavaScript, ActionScript, AppleScript, PHP, SQL, ObjCの読書実行試験運用管理を生業とし、BIND, SMTP, APACHE を FreeBSD, MacBSD, Mac OS X で使い、エディタは Vi, mi, Kod と遷移して現在は Smultron、そして Coda と Xcode の IDE を重用しています。作業の自動化や効率化の導入を応援しています。
P.S. 制作履歴はLinkedInの公開プロフィールをご覧ください。