最高美対称性本引用集


  • 対称性という概念が重要性を帯びてきたのは 、ご想像と違い幾何学を通じてのことではなかった
  • つまり方程式というのは 、数を対象とした一種のパズルだ 。
  • 彼らは天文観測に秀でていて 、一年が三六五日 、もっと言うと三六五と四分の一日に近いことを知っていたが 、一方で 、一年を三六〇日とすれば便利であることにも気づいていたらしい 。
  • そんな彼は 、史上最も有名な数学の教科書 、 『幾何学原論 』 (ふつう 『原論 』と略される )を著した 。印刷術が発明され 、初めて活字にされた本の一つである 。今までに一〇〇〇以上の版が出版され 、この数を凌ぐのは聖書をおいて他にない 。
  • 一方で物理学者や技術者や天文学者は 、証明を 、学問ぶった余計なものとして軽蔑の目で見がちである 。彼らには観察という代わりの方法があるからだ 。
  • 道具を作ることは 、問題を解くことと同じ以上の重要性を持ちうる
  • ポピュラ ーサイエンスの本についてよく言われることとして 、数式が一つ増えるたびに本の売り上げが半分に減るという迷信がある 。
  • 代数学の問題を集めたあるギリシャの本に 、次のような問題が採り上げられている 。 「ディオファントスは生涯の 6分の 1を少年として過ごした 。さらに生涯の 1 2分の 1過ぎたときにひげが生えた 。さらに 7分の 1が過ぎて結婚し 、その 5年後に息子が生まれた 。息子は父親の半分の寿命まで生き 、父親は息子の 4年後に死んだ 。ディオファントスは死んだとき何歳だったか ? 」
  • 現在 、解が整数か有理数に限定される方程式を “ 〝ディオファントス方程式 ” 〟と呼んでいる 。
  • 英語の a l g e b r a (代数 )という単語は 、この a l J a b rから来ている 。
  • 一方 、失脚してナイシャプ ールを追われたハサニは 、ある盗賊団と出会い 、優れた教養を駆使してそのリ ーダ ーとなった 。一〇九〇年 、ハサニ率いるその盗賊団が 、カスピ海の南に連なるエルブルズ山脈にあるアラム ート砦を奪取した 。盗賊たちは一帯を恐怖に陥れ 、ハサニは山の長老として悪名を馳せた 。ハシシュ (効き目の強い大麻 )を使うことからハシシユンと呼ばれていた子分たちは 、六基の山岳要塞を築き 、そこを拠点として宗教界や政界の有力者たちを慎重に選んでは殺害していった 。彼らの呼び名が 、英語の a s s a s i n (暗殺 )の語源である 。
  • キリスト教が広まったことで 、その負の影響として 、教育や学問が教会や修道院に集結させられた 。
  • 「美しい建物を建てたなら 、その土台はもはや見えないようでなければならない」
  • ガウスのアイデアに基づいて複素解析を研究したカ ール ・グスタフ ・ヤコブ ・ヤコビは 、この輝かしい先人について 、 「彼はキツネのようで 、砂の上に付いた自分の足跡を尻尾で消している 」と言っている 。
  • 最後の証明は彼が七〇歳のときだった 。
  • 探検家のアレクサンダ ー ・フォン ・フンボルトが天体力学の専門家であるピエ ール =シモン ・ド ・ラプラスに 、ドイツで最高の数学者は誰かと尋ねると 、 「 〔ヨハン ・フリ ードリッヒ ・ 〕パッフだ 」という答えが返ってきた 。驚いたフンボルトが 「ガウスは ? 」と訊くと 、ラプラスはこう答えたという 。 「ガウスは世界中で最高の数学者だ 」 。
  • また 、鉄道会社や政府債券に投資してかなりの財産も手にした 。
  • ドイツのシステムでは 、博士号の次の段階が教員資格である
  • 彼は 、住んでいる国の法律にはたとえ文句があっても従うのが賢明だという考えを持っていて 、おそらくそのおかげもあって 、フランス革命のときに多くの知識人の身に降りかかった運命から逃れることができた 。
  • ニ ールスは 、印刷代を節約するため論文を最小限にまで要約し 、印刷された版はわずか六ペ ージの長さとなった 。
  • コ ーシ ーは一八三〇年九月に 、知識人に対する革命派の弾圧から逃れようとフランスを去っていた
  • ガロアの理論は確かに美しいものの 、致命的な限界を持っている 。係数でなく根に対して通用するのだ 。要するに 、既知数ではなく 、未知数に対する理論なのである 。
  • この自明な対称変換は 、 “ 〝恒等変換 ” 〟と呼ばれる 。無意味に思われるかもしれないが 、これがないと数学は大混乱に陥ってしまう 。 0という数を考えずに足し算をおこなったり 、 1という数を考えずに掛け算をおこなったりするようなものだ 。
  • 彼が証明した = 1という式は 、数学の中でも最も美しい公式とされている
  • いいプレ ーをすればするほど 、それだけ運が付いてくる
  • 〝無限小数 ” 〟を受け入れることで 、実数体系は完成した 。
  • 数学が教えてくれる大事なことが一つあるとすれば 、それは 、多くの問題には解がないということである 。
  • 代数学に対するこの公理的取り組みは 、ユ ークリッドが幾何学に対しておこなったのと同じことに相当するが 、数学者たちがそのアイデアを思いつくまでには二〇〇〇年もかかったことになる 。
  • ハミルトンにとって最大の悲劇は 、アルコ ールでも結婚でもなく 、 4元数が物理宇宙の数学の鍵を握っていると頑強に信じていたことである 。
  • キリングは謙遜しがちな男で 、一方 、リ ーは何としても自分を大きく見せようとする男だったのである 。
  • 神は老獪にして
  • 彼の有名な言葉の多くは神を思わせるものだが 、それは宇宙の秩序の象徴としてであって 、人間的問題にじかに興味を示す超自然的存在としてではない 。彼はどんな神も崇めず 、どんな宗教儀式もおこなわなかったという 。
  • “ 〝相対論 ” 〟という呼び名はかなり不適切で 、誤解を招く名称だ 。アインシュタインの理論が持つ最大の特徴は 、相対的でないものが存在するということなのだから 。すなわち 、絶対的なのは光速である 。
  • 実はアインシュタインは 、それを “ 〝不変理論 ” 〟と名付けたかった 。しかし “ 〝相対論 ” 〟という名前が定着してしまい 、しかも数学の分野にもともと不変理論と呼ばれるものが存在していたため 、アインシュタインの望んだ呼び名は混乱を招きかねなかった 。
  • ピタゴラスの公式は 、空間が “ 〝平坦 ” 〟であるユ ークリッド幾何学において成り立つ
  • この “ 〝ロ ーレンツ不変性 ” 〟の条件を放棄したおかげで 、彼は無駄な努力をせずに済んだわけだ 。彼は一九五〇年に 、 「基本方程式に等価原理を組み込まなければならないことだけを堅く信じていた 」と記している 。
  • シュレ ーディンガ ーは二人の女性と暮らすという不埒な生活スタイルを続け 、それがオックスフォ ードの名士たちの逆鱗に触れた 。
  • ハイゼンベルクは理論物理学者としては優れていたが 、実験についてはあまりに理解が欠けていて 、博士認定試験の際 、望遠鏡と顕微鏡に関する単純な質問にも答えられないほどだったという 。また 、電池がどのようにして働くのかさえ知らなかったそうだ 。
  • 重力と電磁気力を一つにまとめられるのだが 、それには 、空間は実は 4次元で時空は 5次元だと考えなければならないのである 。
  • 現代の物理学では 、自然界には四つの力があると考える 。重力 、電磁気力 、弱い核力 、強い核力だ 。
  • もしこれらの力がなかったら生命は存在しえなかったはずで 、このことは 、我々の宇宙は生命が生まれるよう驚くほど正確に調節されていることの何よりの証拠だとよく言われる 。しかしこれはインチキな議論で 、生命というものに対する偏狭な見方に基づく 、至極大げさな主張だ 。確かに我々のような生命は不可能だろうが 、だからといって 、有機的な複雑系として存在しうるのが我々のような生命だけだと決めつけるのは 、傲慢の極みである 。生命の十分条件 (我々のような生命が生きる我々の宇宙の性質 )を必要条件と混同するのが 、間違いなのだ 。
  • 強い力は短距離でしか働かない
  • 一九八〇年代末には 、陽子の崩壊を見つけようとする六つの実験が進められていた 。中でも最大のタンクには 、三〇〇〇トン以上の超純水が入れられた 。しかし陽子の崩壊は見つからなかった 。
  • 数学者と違って物理学者は 、数学的な論理の穴を取り繕うため物理的直観を持ち出すことに 、ほとんど躊躇しない 。それに対して数学者は 、傍証がどんなに強力であっても 、盲信というものには用心するよう訓練されている 。彼らにとっては 、証明がすべてなのだ 。
  • 物理理論で無限大が出てくれば 、それは何かが間違っているというしるしである。
  • 点は大きさを持たない存在で 、数学的な虚構だ 。
  • 相対論では 、どんな系の未来も過去と現在によって完全に決定されるからだ 。
  • いる 。時間は常に 1次元だが 、空間はなぜか 6か 2 2の余分な次元を持つのだ。
  • 今のところ 、ひも理論に対しては世間の反発がいくぶん見られるが 、それは 、間違っていると分かったからではなく 、まだ正しいと分かっていないからである。
  • 最新の超ひも理論が抱える最大の問題は 、いわば贅沢な悩みである 。予測ができないのではなく 、あまりに多すぎるのだ 。
  • 〝弱い人間原理 ” 〟は 、もし我々の宇宙が今のような形で作られていなかったら 、それに気づく我々はここに存在しなかったはずだ 、と説いている 。しかし 、我々が占めている “ 〝ここ ” 〟がなぜ存在するのか 、という問題にこの原理は答えてくれない 。 “ 〝強い人間原理 ” 〟は 、生命が存在するよう宇宙が特別にデザインされたからこそ 、我々がここにいるのだ 、と言っているが 、これは無意味な神秘主義だ 。真空エネルギ ーが今と大きく違っていたらどんなことが起こっていたか 、実際のところ誰も知らない 。
  • 記号で表せば 、 ( + ) ( + ) = ( + ) + ( - | )となる 。二つの平方数の和と二つの平方数の和との積は 、必ず二つの平方数の和になるのだ 。この事実は 、六五〇年頃のインドの数学者ブラ ーマグプタや 、一二〇〇年のフィボナッチも知っていた 。
  • このように 、ある概念を無用だと決めつけると 、将来になって厄介なことになりかねない 。たった一つの新たな応用法 、たった一つの科学の進歩によって 、その嘲笑を浴びた概念が突如舞台の中心に降りてきて 、無用どころか欠かせないものになることもありうるのだから 。
  • 一九三〇年代のイギリスを代表する数学者ゴッドフリ ー ・ハロルド ・ハ ーディ ーは 、数論に実用的な応用法がないこと 、とりわけ軍事的に使い途がないことを 、とても幸いだと考えていた 。しかし今では数論は 、安全なインタ ーネット取引や 、さらには軍事に必要不可欠な 、メッセ ージの暗号化に活用されている 。
  • 数学や物理学における指導原理として 、何か興味深い対象があったら 、まずはその対称群がどのような形をしているか調べるべきだ 、というものがある 。
  • 彼の著した 『絵画論 』の冒頭には 「数学者でない者には私の著作を読ませるな 」と記されているが 、これは 、古代ギリシャ 、プラトンのアカデメイアの扉の上に掲げられていたとされる 「幾何学を知らぬ者は入れさせるな 」という標語を真似たものだ 。
  • もしこの 1 0次元ひも理論が本当に現実と対応しているとしたら 、我々の宇宙は 8元数からできているということになる 。
  • ギリシャの哲学者プラトンは、「神は常に幾何学をやっている」と言った。ガリレオも、「自然の偉大な書物は数学の言語で書かれている」と、同じようなことを言っている。
  • 私の研究は常に真と美を一つにしようというもので、どちらか一方を選ばなければならないときはたいてい美のほうを選んできた
  • 数学者は本人が考え出したルールでゲームをしているが、物理学者は自然が与えてくれたルールでゲームをしている。
  • バランスの取れた人間は、経験から学び、その学んだことを新たな環境へと伝える。現実の世界は偉大な数学を生み出すが、偉大な数学はその源を凌ぐことができる
  • 物理学においては、美は自動的に真を保証するわけではないが、その助けにはなる。 数学においては、美は真でなければならない。為はすべて醜いのだから。